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Cute Dog

「さしこ(orさっしー)」こと指原莉乃さんがHKT48として劇場公演デビューしました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120706-00000001-jct-ent

 

AKB在籍中のファンとの恋愛がバレてHKTに移ったのにHKTではセンター扱いだとか、
指原さんに押し出される形でHKTのメンバーの出番が無くなっただとか、
プロデューサの秋元氏やAKB劇場支配人が応援に駆けつけただとか、
(HKT劇場にも別の支配人がいるのに)
関係各社に依頼して大量の花束を用意しただとか、いろいろ言われています。

 

そもそも、指原さんがAKBで正規メンバーになったこと自体、
当時別のメンバーが恋愛がバレて解雇になり、空枠が出たことでの昇格でしたが、
その昇格直後に恋愛をしていたようですね。

 

まぁ、これだけ「大人たちの妙な配慮」臭がぷんぷんすれば、
否定的な感情を持つファンが増えるのは当然なのですが、
私が気になったのは、秋元氏の以下の発言です。

 

「(指原さんが)日本中の元気の象徴になればいいなと思ってるんですよ。
頑張れば報われるんだという風にしてあげたいなと。」

 

この発言、AKBというプロジェクトの一つの転換点になるのでは、と感じました。

 

プロジェクトにおいては、多くのステークホルダ(主には発注者と受注者ですが)が、
その長いプロジェクト期間中、どのように信頼関係やパワーバランスを維持してゆくか
がプロジェクト成功のカギになります。
(そのために、様々なプロジェクト運営管理手法があるのです。)

 

そこで大事なのは、「ルール」ではなく、「ルールの運用」なのです。

 

上記のポイントを判っているヒトは少ないと感じているのですが、
取り決めた「ルール」というのは、厳密なように見えて、実は色々と解釈の方法があります。
(そりゃそうですよね。「現実」という事象を、
簡単な「文章」で厳密に表現し切れる訳がないのですから。)

 

すると、その「ルール」とは、何故、何のために、どういう趣旨で設定したのか、という点を、
ルールの適用のたびに、ステークホルダ間で協議・確認しあって、
当初目指していた趣旨や関係の維持を、毎回繰り返していかなければ、
そのルールを設定したそもそもの目的は達成されません。
これが、「ルールの運用」です。

 

「ルールの運用」においては、ルールを決めた側(通常は発注者であることが多い)が、
プロジェクトの長期間にわたって、「ぶれないこと」が、最重要のポイントです。

 

たまに見かけるのですが、「上司がこう言っていて・・・」とか、
「○○部門の許可が下りなくて・・・」などと組織内部の都合を理由にして、
ルールの解釈を変更しようとする発注者がいます。

 

あれは最悪です。
それをやるということは、相手側(受注者)にも、同じ理由でルールの解釈を
変更してよい、と言っている様なものだからです。

 

こうやってモラルハザードの種が生まれ、結果としてプロジェクトは破綻します。

 

で、話を元に戻すと、今回の秋元氏の発言は、まさにこの
「モラルハザードの種」と同じなのです。

 

恋愛禁止という理由で、これまで解雇や謹慎という
「頑張る機会を与えない」処分をしてきましたが、
今回、「頑張れば報われる」、とルールの解釈自体を変更してしまいました。

 

しかも、「メンバーによって態度を変えている」と受け取られる形で、です。

 

これが、「モラルハザードの種」となって、
AKBというプロジェクトが変わり始めるきっかけになるのでは、と
プロジェクトの専門家(私のことですが)は見ています。

 

 

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