原発と情報システムの類似性
12/09

今回の衆院選、原発の賛否が思ったよりも争点になってますね。
答えは簡単。
「短期的にラクしたければ原発存続、後で困りたくなければ原発反対」 です。
ここでの中長期は、30年以上、と思っておいてください。
だから、もうすぐ死ぬ老人は賛成、
中長期でリスクを考えられないアホも賛成、
短期的に票と利権を取り戻す必要がある自民・公明も賛成、です。
世間では、「原発は危ないから反対だ!」という反対意見が多いですが、それだとちょっと弱いですよね~。
維新の会の橋本氏も、本来は40代以下の代弁者であるべきなんですが、
老人代表の石原と組んだせいもあって、原発に関しては玉虫色にトーンダウンしました。
まあ、何だかんだ日和見主義のデマゴーグですから、
もし政権を取ったとしても、官僚や産業界の様子を見て、「だらだらと存続」になると見ています。
原発問題、本来はそういう論点ではないです。
「中長期のリスクマネジメント」が答えです。
でも、恐らく世の中の殆どが理解できないんだろうと思っています。
以前にも書きましたが、原発(それ以外のすべてのシステムがそうですが)は
事故率100%、事故の際の損害が他の発電方法と比較して圧倒的に大きいので、
50年~100年のスパンで見れば、得られるものに対してリスクが大きすぎるのです。
最近は、そういった視点に近いものもちらほらと出てきました。
枝野氏、電気料金「おかしなくらい安すぎた」
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20121130-OYT1T01017.htm?from=blist
枝野氏の観点はやっぱり間違ってますが(笑)、
リスクを考慮すると非常に高コストだ、という認識が少しでも広がれば良いと思います。
前回取り上げた道路や橋なども含め、こういったインフラには、
「ライフサイクル全体でのリスク・コスト管理」
という視点が全く欠落しています。
私が得意にしている情報システム分野のプロジェクトマネジメント、
リスクマネジメントと、話の本質が似ているな~、といつも感じるのです。
運用期間中の要件変更による変更コスト
障害時の対応・復旧コスト
運用終了時の廃棄・(次期への)移行コスト
こういったリスクを想定しないで、とりあえずシステムを作ってしまうと、
下手をすると作った時よりも大きなコストが後で掛かります。
トンネル、高速、原発・・・、どれもそうなってますね~。
これまでの老人世代の遺した負の遺産の功績には、ホント、頭の下がる想いです。(orzってことね。)
ちなみに、今日こんな記事を目にしました。
人の命を守りたいなら日本は原発を全力で推進すべき
http://blogos.com/article/51788/?axis=p:1
凄いです!凄すぎです!バカ過ぎて・・・(笑)
「世の中の問題は、長所や短所が入り交じっているから選択に悩むのである。しかし、原子力に関しては、命に関しても金に関しても、その他の発電方法と比べて圧倒的に優れていることが明白なのだから、悩む要素がないのである。よって、反原発を唱えている政治家、政党にはそれだけで投票しない十分な理由があると筆者は確信している。反原発は、まさに日本を衰退への道に叩き落とすことになるだろう。」
ですって。
詳しくは記事を見てもらいたいのですが、とっても矮小な視点で、大きな問題を語っておられます(笑)
これを書いたひとは、外資系金融に勤めているようですが、
証券化商品やCDSをそれぞれの商品単体で矮小に評価したせいで、
結局世界中を最悪の景気にした、という事態から何も学んでないみたいですね~。
まさにリスク管理の素人(笑)
どこの金融機関か判りませんが、こういう人や会社にお金を預けないようにしないと・・・。