中央道笹子トンネル事故には別の意味がある
12/05
中央道笹子トンネル上り線で、1枚1トン以上の天井板が100枚以上落下し、大きな事故になりました。
中央道でトンネル内崩落 通行止め長期化なら物流に影響
http://www.sankeibiz.jp/business/news/121202/bsd1212022111003-n1.htm
今でも月に数回(これまでであれば数百回)、
仕事等でこのトンネルを往復している身としては、全く他人事ではありません。
不幸にも事故に遭われた方々にはお悔やみ・お見舞いを申し上げます。
事故が起きてから当然ながらずっと通行止めですが、
あそこは甲府盆地へ向かう峠道、中央道と国道20号線以外、一切道のない場所です。
(国道、と言っても走り屋が好きそうな狭い峠道ですが・・・)
日本の動脈が一本切れてしまった感がありますね。
どうするのかな~と思っていたら、早速事故原因の発表がありました。
トンネル崩落:コンクリ劣化の可能性
http://mainichi.jp/select/news/20121203k0000e040213000c.html
原因を確定させないと、工事して再開できませんからね。
さすがに迅速です。(NEXCO中日本の家宅捜索も。)
ただ、コンクリやボルト劣化、打音検査ができなかった、というだけでは済まない気配もあります。
会計検査院 昭和50年度決算検査報告
http://report.jbaudit.go.jp/org/s50/1975-s50-0159-0.htm
こちら、要は、トンネルの工事自体の手抜きが指摘されていた、という話です。
そうなると再開通は更に延期されそうですね。
ホント、困ったものです。
ちなみに、自民党が大好きなネット右翼のみなさんは、
マスコミに洗脳されて(自分たちは洗脳されてない頭の良い人間だと思っているようですが)
「民主党のせいだ!」とはしゃいでいるみたいです。
【ありがとう民主党】事業仕分けで道路保全事業縮小→中央道トンネル崩落 : 2ろぐちゃんねる
http://2logch.livedoor.biz/archives/4290849.html
恐らくこういうネットに参加する方々は40代以下の方が大半だと思うのですが、
自分たちが自分たちの将来の首を絞めていることは気づかないんでしょうね。
国土強靭化とかいって、土建屋にカネを撒いても、一切裕福にも幸せにもならないんですが・・・・
(これについてはまた改めてご紹介します。)
もちろん土建屋は短期的に儲かりますけどね。そのための政策ですから。
実際の問題はそんな次元の低いところではありません。
私の得意分野である、システムとプロジェクトのマネジメントの世界で言えば、
「長期の運用を考慮しないで設計・開発を行っている」
これに尽きます。
これまで土建屋が造ってきた構造物は、社会システムの一つという考え方が完全に抜けています。
笹子トンネルは、他の吊り下げ式天井のトンネルと違い、
打音検査がしにくい構造になっている、そういった小さいことではありません。
道路や橋、トンネルといった社会システムの基幹部分を、
何年使うつもりで設計し、使用期間完了後にどのように次へ移行するのか、
そもそもそこが全く考慮されていません。
コンクリの耐性なんてせいぜい40年くらいです。
じゃ、40年後にどうするんでしょうか?
全国のトンネルと橋を封鎖して、再工事するんでしょうか?
クレイジーですね~。
でも、現在の状況では、そうするしかありません。
(ちょうど首都高がかなり話題になっているところですね。)
この莫大な(過去のバカ達の)コスト、若い世代がすべて負担させられます。
過去に莫大な借金(国債)をして全く結果を出さなかっただけではありません。
国の支払い能力を超える社会保障を「権利だ!」とかほざいて
のうのうと裕福な老後を送っているだけではありません。
もう一つ、莫大なツケを回そうとしているのです。
こりゃぁもう、早いとこシンガポールにでも脱出するしかないですね~。
ビジネスをやる動機がまた増えました(笑)